6.バーチャルホスピタル構想について

バーチャルホスピタル(Virtual Hospital)とは「仮想の病院」という意味で、実際には病院の建物などはないけれども、その機能を一部分にしろ持っているものと解釈できます。例えば医療行為のシミュレーションが行える施設などが挙げられるでしょう。また、ネット上でバーチャルホスピタルを開設している方がいますが、これはいろいろな医療に関する情報を提供したり、質問などに答えることで医療相談的なことをすることが多いようです。さらには、遠隔医療で情報を多数の医師と共有し、総合病院のような治療を提供するというものもあるようです。
 

これまで述べてきたように、在宅医療は、患者の居宅において行われる医療です。すなわち、医師が定期的な訪問診療をし、電話による24時間対応をとっています。また、多職種の方が患者のケアをします。例えば、訪問介護、看護師、鍼灸マッサージ師、歯科医師、薬剤師などの方がたです。さらに、ベッド、車椅子、歩行器などの介護用品の導入、バリアフリーのための屋内の改装工事なども行われます。患者が急性期の医療が必要な場合には、在宅医が連携先病院への搬送をお手伝いします。この際には、救急医療体制との連携が必要です。このように、患者を中心とした在宅医療では、ご家族だけでなくいろいろな職種の方がたと共同することにより、ご自宅の患者があたかも病院にいるような状態を作り出すことが可能と思われます。私たちはこのような環境を「バーチャルホスピタル」と呼んでいるのです(図1)。

図1

図1 患者居宅を中心としたバーチャルホスピタル

この実現のためには、多職種の方々との連携が有効でなければなりません。また、連携病院と在宅医(家庭医)との関係も同様です。そのためには、患者情報を共有し、普段の健康データのみならず診療記録などを患者がPersonal Health Record (PHR)として保存し、それを共有する体制が必要です。そのためのコンピューターネットワークやシステムソフトの開発、その普及が国の指導でなされる必要があることはすでに述べた通りです。また、ご自宅でのバイタルサインの記録や、リモートセンシングなどの技術が応用され、遠隔在宅医療も導入される必要があるでしょう。居宅、あるいは施設のご老人にセンサーを取り付け、24時間の監視システムのサービスを提供する動きもあるようです。一家に一台、バイタルサインのモニターが可能なロボットが活躍する時代が来るかもしれません。


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