お知らせ

「川崎高津診療所紀要」のJ-STAGEでの利用状況

2024年02月09日

1 はじめに

 「川崎高津診療所紀要」1)は、当院が発行するオープンアクセス雑誌(ISSN:2758-6766)で、2020年2月の創刊から年2回(7月と12月)発行しており、2023年までに4巻28編の論文を掲載しています。内容は、主として在宅医療全般に関するもので、一般の読者にもわかりやすいような内容であると同時に、斬新かつ独自の視点からの分析がなされているのが特徴です。この雑誌は、創刊当初は当院のホームページにて公開していましたが、昨年6月より科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)での閲覧が可能になりました2)。J-STAGEとは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する電子ジャーナルのプラットフォームであり、日本から発表される科学技術情報の迅速な流通と国際情報発信能力の強化、オープンアクセスの推進を目指すもので、学協会や研究機関における科学技術刊行物の発行を支援しています。ここでは、当院雑誌の直近のアクセス状況を検討してみました。
 

2 当院雑誌のJ-SAGEでの利用状況

 2024年1月のアクセス件数は、2743件で、1日あたりの平均件数は88.5件でした。まず、国別のアクセス件数を見ると、当然のことながら日本が一番多く2402件で73%を占めましたが、以下USA、中国、カナダやヨーロッパ諸国からもアクセスがありました(図1)。本論文は、主として日本語であるため、海外からのアクセスの多くは在留邦人ではないかと思われます。次に検索エンジンを見ると、一番多かったのがGoogleで約40%を占めましたが、不明、yahoo、j-stage、Google scholarなどが続きました(図2)。このように、検索エンジンとしては、一般的なものからの検索が可能となっており、有料の医学データベースなどを利用しなくても論文が閲覧できる環境と思われました。次に、上位アクセスの論文を検討すると、一位が「高齢者における新型コロナワクチン接種後の帯状疱疹(帯状疱疹と略す)」でした(図3)。これは、当院で診療を受けている平均85歳の疾患を有する患者集団における帯状疱疹の発生割合を、ワクチン接種時期とその前とで比較したものです。対象患者のバイアスはあるものの、結果として2020年、すなわち新型コロナウイルス感染症のパンデミックがはじまって行動制限などが行われていた時期から帯状疱疹患者が激増しており、ワクチン接種時期ではむしろ低いという意外な結果が得られました。このことは、脳神経外科おたる港南クリニックの末武先生のホームページでも言及されています3)。その他の記事としては、高齢者の症候(便失禁・排尿障害)、老化に関する内容への関心が高い結果でした。
 

図1 国別アクセス件数(上位10カ国)

図2 検索エンジンの種別

図3 上位アクセスの論文(川崎高津診療所紀要)

3 おわりに

 当院発行の雑誌「川崎高津診療所紀要」のJ-STAGEにおける利用状況を検討しました。通常、学術論文は出版社によるピアレビュー制度を取っていますが、その弊害、たとえばスポンサー企業(研究費用を出している)との利益相反にともなう組織的な内容改ざん、採択の優遇や先延ばしなどの問題があることも確かです。また、投稿料に加えて閲覧するのにも費用がかかることは、研究者にとっても二重の負担となります。その点、通常の検索エンジンを用いて無料で制限なくアクセスが可能な媒体は、内容的に問題がなければ情報源として有用であると考えられました。
 
 
文献
1)https://kt-clinic.jp/about/archive/20200207.html
2)https://www.jstage.jst.go.jp/browse/ktsk/-char/ja
3)https://biochemicaldiet.com/archives/blog/%E5%B8%AF%E7%8A%B6%E7%96%B1%E7%96%B9%E3%81%AE%E6%BF%80%E5%A2%97
(cited 2024/2/7)
 
川崎高津診療所コラム 28 v1.2  (2024年2月9日公開)
本稿は、VHC & KTS Reports 240206-2をもとに作成したものです。
 

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